朝、昏き旗を掲ぐ

とある朝、私は旗を立てることにする

ガバガバ訴訟最終告知詐欺を論破する回

どうもはったーといいます。

趣味のブログと勉強とか真面目なブログを分けてみました。興味があればこちらもよろしくお願いします。

 

話は変わりまして、先日私が三重県の実家に帰省していた時のことなのですが、実家にこんなものが届きました。

 

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「消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」ってものです。強制執行やら差押えやら、物騒な単語が並んでます。法律を触ってない方とかはびっくりしてしまう方もいるのではないでしょうか。

 

結論これは詐欺です。

最終通告とか言って不安を煽るところに狡猾さが垣間見えます。頭きますよ!(激怒)

なので論破してやりたいと思います。

 

詐欺だと分かって無視すれば問題はないのですが、どこで詐欺だと判断するのかっていうのは知らない方も多いと思います。

なので、どの部分がどうおかしいのか、法的な観点からざっと整理しておきたいと思います。といってもわかりにくいところは私も説明できないので、わかりやすいところに絞って解説します。

他人に知識でマウントを取るのは意外と楽しいもんです。みんなで詐欺師にマウント取りましょう。

私自身大学の法学部に在籍しており、丁度民事執行法のお勉強をしてますので、結構タイムリーでこれが届いたときは少し興奮しました。

詐欺にも法知識でマウント取れるようにしておきたいところです。

 

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参考資料と一緒に例の通告を再掲しておきますので、合わせてご確認ください。

 

①管理番号(わ)284

これは明らかにおかしいです。この管理番号の文字において、「わ」というのは民事事件に分類する記号みたいなものですが、これ本物はカタカナです。「ワ」となるわけですね。TDNが「ワ」ンワンと吠える名シーンを思い出せば、管理番号はカタカナだと思い出すはずです(暴論)

作ってる人間も法知識ガバガバです。

 

②裁判所執行官

これも意味が破綻してます。

執行官っていうのは強制的に財産を差し押さえたりするような事務に携わる役職です。一見変なところがないように見えますが、実は執行官というものは裁判所から独立した機関でありますので、裁判所執行官といった名称は存在し得ません。まあ裁判所職員ではあるのですが。

執行官は、基本的には国から給与を受けるのではなく、事件の当事者が納めた手数料を収入としてます。一応裁判所職員であるものの、民間自営業の皮を被ったちょっと変わった公務員です。

とりあえず、執行官は裁判所とは独立した役職だから裁判所執行官という名前はありえねえよ、とでも理解しておけばマウントは取れるでしょう。

(そんな知識で)おっ、大丈夫か大丈夫か?

 

③執行証書

執行証書は、債務不履行の場合に訴訟手続きを経ることなくすぐに強制執行ができるようにする手段として活用されるものです。

これなんですが、執行証書っていうのは執行官は作れません。執行証書が適法に効果を発揮するには、公証人っていう役職の人がこの執行証書を作らなければなりません。ハガキの内容は普通に違法です

(この程度の知識で詐欺するとか)これもうわかんねえな…

 

④訴訟最終告知通達センター

まあこんなもんはないです。

最終告知通達をするためだけにと作られる機関とか限定されすぎでしょう。普通に考えて税金の無駄です。頭使って、どうぞ。

 

○注意点

ハガキでこういうのが来たら電話をかけない限り無視して大丈夫です。

しかし、厄介なのは封筒で裁判所から届いた時。

金借りてないのにいきなり正式な訴訟手続きしてくる頭のおかしな詐欺師もいます。この場合、手続きが正式な分、ここで無視を通すと相手の主張が全部通ってしまい、不服申し立てやら非常に厄介なことになります。

なので、封筒で届いた場合は必ず裁判所側にきっちり電話をかけて確認するようにしましょう。

 

以上、目立つ部分を論破してきました。詳しく見るともっとガバガバな部分も見えてくるのですが、流石にかわいそうなのでやめておきます(自信がない)

 

まあ、知識っていうのは頭に入れておくだけで非常に心強い味方になるよねってことは学べた気がします。

こういった詐欺師みたいなやつにマウントを取るのはなかなか楽しいものです。

 

 

以上

 

*参考文献

・上原敏夫ほか(2017)

『民事執行・保全法(第5版) 』有斐閣